「とやま食文化」魅力再発見キャンペーン『とやま幸(しあわせ)の食卓』 第1回 富山の恵みの一汁三菜で、家族の体と心に栄養を。

古くから「一汁三菜」を基本としてきた日本の食事。
「主食・主菜・副菜・汁物」が並ぶ栄養バランスの良い献立が、家族の健康やだんらんを支えてきました。
本年度の「とやま幸の食卓」キャンペーンでは、この伝統的な食事に注目します。
富山の食材や食文化を取り入れた、主食・主菜・副菜・汁物をシリーズ紙面で紹介し、家族の会話が弾み、体と心に栄養が届く食卓をご提案します。

普段の食事を見つめ直す

「一汁三菜」とは、ご飯などの「主食」に、みそ汁など「汁物」、肉や魚などを使ったメイン料理の「主菜」1品、野菜やキノコ、海藻などを使ったおかずの「副菜」1〜2品で組み立てた献立のこと。炭水化物の豊富な主食は体のエネルギー源になり、タンパク質や脂質などに富んだ主菜が筋肉や血となり、体の調子を整えるビタミンやミネラルなどを副菜でとります。四季折々のさまざまな食材を調理し、 体に必要な栄養をおいしくバランス良くとる一汁三菜の食生活が、今日の日本人の長寿のベースになったとも言われています。
しかし、いつでもどこでも食べたいものを買って食べられる今、若い世代を中心に、こうした伝統的な食事はなじみが薄くなっています。食生活の変化による栄養バランスの崩れが、生活習慣病などにつながるとの指摘もあります。栄養を補うため健康食品やサプリメントを利用する人が増えていますが、何よりもまず普段の食事が大切ではないでしょうか。
とはいえ「毎日の食事作りに、そんなに手間暇かけられない」と言う人が多いかもしれません。あまり堅苦しく考えず、例えば主菜に添える野菜を多めにして副菜を1品にしたり、汁物を具だくさんにする、主食をまぜご飯にするなどの工夫で、主菜や副菜を兼ねても良いのです。寒くなるこれからの時期は、旬の魚介や野菜たっぷりの鍋料理があれば、主菜・副菜・汁物が一つの鍋で出来上がります。

野山や海の幸、季節の恵みが豊かな富山県。先人が育んだ郷土料理も数多く伝わっています。県民みんなの財産とも言える多様な食材や食文化を組み合わせて主食・主菜・副菜・汁物に生かせば、富山ならではの一汁三菜を楽しむ食卓がおいしく整います。食卓を囲んで家族の会話が弾み、郷土への親しみや、先人への感謝も深めてほしい…そんな願いを込めたキャンペーンのスタートに当たり、まずは富山の食文化の魅力を見つめ直したいと思います。
富山が食材の宝庫となっている背景には、独特の自然環境があります。標高3000m級の山々が連なる立山連峰から、水深1000mを超える富山湾に至るまで、県土の高低差は約4000m。急峻な地形を一気に流れ下る河川は氾濫を繰り返してきましたが、治水が進んだ今は潤い豊かな平野に田園地帯が広がっています。いろいろな野菜や果実が県内各地で栽培され、名水育ちの豚肉など畜産物のおいしさも県内外に知られるようになりました。
富山湾には山々から清らかな水が流れ込むだけでなく、伏流水が海底で湧き出して栄養分を供給し、魚がすみよい環境が保たれています。温暖な対馬海流と冷たい海洋深層水が層を成して暖流系と冷水系どちらの魚も育つ条件が整い、さらに水深1000mを超える海底谷”藍がめ“が海岸近くに刻まれ豊かな漁場となっています。漁場と漁港の距離が近く、”天然の生けす“と呼ばれる富山湾の、とれたての新鮮な魚を食べることが当たり前というぜいたくな日常は、類いまれな富山の大自然のたまものです。


新鮮な魚をはじめとした富山の豊かな食材は、類いまれな大自然のたまものだ。

富山の食文化に、独特の豊かさをもたらしたのは昆布です。総務省の家計調査(2人以上世帯)で、2017年度の富山市の昆布の支出額(年1705円)は全国第1位。都市別データが確認できる1960年以降、2013年を除く57回目の全国第1位となっています。江戸時代後期、幕府の蝦夷地(北海道)開発に伴い北前船航路が確立され、昆布が日本各地に運ばれるようになりました。その航路は”昆布ロード“とも呼ばれ、昆布は運ばれた先々の食文化に影響を与えました。中でも富山では魚介などと組み合わせた独自の料理が生まれました。とろろ昆布のおにぎり、刺身の昆布じめ、ニシンの昆布巻き、昆布巻かまぼこなど、どれも県民にとってソウルフードと呼べるものばかりです。
ほかにも自然の恵みを大切に生かし、食卓を守ってきた先人の知恵が息づく郷土料理が県内各地にあります。例えば大根やカブの葉などをみそであえムダなく使い切る「よごし」や、食材が乏しくなる冬の食卓を支える「干し野菜」。里芋の茎を干した「ズイキ」は保存食として今も重宝されています。また仏教行事や年中行事が大切にされてきた富山では、報恩講のもてなし料理に欠かせない、根菜と小豆を炊き合わせた「いとこ煮」など行事食も根づいてます。
こうした多彩な郷土料理は、毎日の副菜のバリエーションを広げてくれます。そして富山はブリをはじめとする海の幸や、おいしさと安全にこだわって飼育されるとやまポークなど、主菜にぴったりの産物が豊富です。さらに米の新品種「富富富」のデビューにより主食の楽しみも広がっています。キャンペーン紙面では、「主菜」「副菜」「汁物」「主食」など毎回のテーマに沿って、旬の食材を使った料理や郷土料理などを紹介していきます。富山の食の豊かさを日々味わう、一汁三菜の食卓づくりをご一緒に楽しみませんか。

柿と春菊の白酢あえ

〈材料〉(4人分)

  • 柿(種なし)………3〜4個
  • 春菊…………………1束
  • 木綿豆腐……………1丁
  • 砂糖…………………20g
  • 薄口しょうゆ………大さじ1
  • 練りごま……………40g
  • 塩……………………少々
  • レモン絞り汁………大さじ1

〈作り方〉

  1. 柿は皮をむいて半分に切り、短冊切りにして塩水で洗う。
  2. 春菊は葉をむしり塩を入れた湯でゆでる。その後、茎もゆでる。葉は4cm位の長さに切り、茎は小口切りにする。
  3. 豆腐をさっとゆでて、水気を切り、冷めたらすり鉢のなかでなめらかにする。
  4. 3に調味料を加え白和え衣を作る。
  5. 春菊と柿を4の白和え衣で和え、レモン汁を加えてまぜて出来上がり。

昆布じめ

〈材料〉(4人分)

  • 昆布(函館産)………150g
  • さす……………………400g
  • しょうが………………20g
  • 木綿豆腐………………1丁
  • 小松菜…………………60g

〈作り方〉

  1. 昆布は酢を含ませたペーパーでさっとふく。
  2. さすは、昆布じめ用のやや厚めの平づくりに切る。
  3. 豆腐は半分に切り、湯でさっとゆでる。その後、1cmの厚さに切り、ペーパーを引いたザルに入れて、水気を十分に切っておく。
  4. 小松菜は塩を加えた湯にさっと通す。
    水にとり、かたく絞っておく。
  5. 1の昆布にせん切りにしたしょうがをしき、さすを並べて、上からしょうがを散らして、昆布をのせて3時間程度冷蔵庫でねかせる。
    豆腐、小松菜も同様にする。
    ※エリンギも小松菜と同じように昆布じめにできる。

のっぺい汁

〈材料〉(4人分)

  • 里芋……………………………4個
  • 人参……………………………1/3本
  • こんにゃく……………………1/2枚
  • 大根……………………………120g
  • ごぼう…………………………80g
  • だし汁(かつお節だし)……4カップ
  • みりん…………………………大さじ2
  • しょうゆ………………………大さじ2
  • 塩………………………………小さじ1/4
  • 片栗粉…………………………大さじ1.5
  • ねぎ……………………………10g

〈作り方〉

  1. 里芋は4mm位の輪切り、大根・人参はいちょう切り、こんにゃくは短冊切り、ごぼうはささがきにする。
    里芋は塩でぬめりをとり洗う。こんにゃくは塩でもみ洗いし、調味料が浸透しやすいように下処理をしておく。
  2. だしに人参を入れ、鍋を加熱し、少し火が通ったら大根、ごぼうを加え、調味料を加え、里芋を入れて煮て、最後にこんにゃくを入れて全体に火を通す。
  3. 2を沸騰させて、水溶き片栗粉を全体に混ぜてとろみをつける。
  4. 3をお椀に盛りつけ、ねぎの小口切りを散らす。
    吸い口として柚子やしょうがの絞り汁を最後に加えてもよい。

さつまいもご飯

〈材料〉(4人分)

  • 富富富(新米)………280g
  • 塩………………………小さじ1
  • さつまいも……………中1本

〈作り方〉

  1. 米は昆布を入れて約30分位浸しておく(新米の場合は1.4倍の水加減)。
  2. さつまいもは洗って、皮をむき、1cm程度の角切りにして、水で洗う。
  3. 加熱する直前に1に塩を加え、2のさつまいもをのせて、普通に米を炊く。
  4. 炊き上がったら、10分程度蒸らした後、熱いうちに全体を混ぜておく。

協力/富山短期大学 食物栄養学科教授 深井康子さん

「とやま幸の食卓」

主催/北日本新聞社

パートナー/albisKIRIN北陸銀行

協賛/キリンビバレッジ株式会社 北陸支社、富山短期大学

企画・制作/北日本新聞社 営業局

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