越中料理物語越中料理物語

シロエビ料理(富山湾のシロエビ)シロエビ料理(富山湾のシロエビ)

すみかは光の届かない海底の谷

富山湾は独特の自然環境をもつ類いまれな海です。太平洋側の駿河湾や相模湾と並ぶ日本で最も深い湾のひとつで、最深部は水深1200mに達します。表層は日本海を北上する対馬海流が流れ込み、ブリやマグロなど暖流系の魚が回遊しています。その下、水深300mより深い所には一年を通して水温2℃以下の日本海固有水(深層水)があり、ベニズワイガニやゲンゲなど冷水系の魚がすんでいます。

また富山県は標高3,000m級の北アルプスが海岸近くまで迫っています。急峻な地形はそのまま海中へと続き、海底にV字にえぐられた深い谷が刻まれているのです。海底谷付近は海の色がいっそう濃くなることから「藍がめ」と呼ばれ、豊かな漁場となっています。藍がめの底は水深150〜300m。この太陽の光も届かない、海中の谷底がシロエビたちのすみかです。

シロエビ

かつて幻の美味だった“富山湾の宝石”

体長6〜7cm、重さ2gもない小さなシロエビは、水揚げされた直後は淡いピンク色を帯び、透明感のある体がキラキラ輝きます。その水晶のような美しさが"富山湾の宝石"と呼ばれるゆえんです。鮮度が落ちやすく、かつてはナマのものが県外へ出回ることはほとんどありませんでした。富山湾でしか獲れないシロエビの刺身は、富山でしか味わえない"幻の美味"だったのです。

シロエビ漁が漁業として成立するほど大量に水揚げされるのは、世界でも富山湾だけといわれます。漁が解禁されるのは、シロエビの旬と重なる4月から11月まで(最盛期は6〜7月)、「かけ回し漁法」で行われます。

漁船は未明に出港して約1km沖合の漁場へ向かいます。魚群探知機でシロエビの群れを確認すると、動きを予想して網を海へ落とし、大きく円を描きながら航行します。網が水深200〜300mほどまで落ちるのを待ち、海底に着く手前で引き上げます。藍がめの地形、シロエビの動きなど、かけ回し漁法は豊富な経験と技術のたまものです。

シロエビ

希少な味を存分に…富山だけの贅沢

極小の体に、極上の味を秘めたシロエビ。富山では昔からその旨味を余さず生かす方法として、煮物や素麺などのだしに重宝されてきました。

上品な甘みを存分に味わうなら刺身がおすすめです。刺身一人前に必要なシロエビは、なんと約70尾という贅沢な一品です。昆布じめは、おぼろ昆布やバッテラ昆布(※)など薄味のものを使い、繊細な味を生かします。殻ごとカラッと揚げたかき揚げはサクサクとした食感も楽しく、最近はシロエビのかき揚げを挟んだハンバーガーやシロエビのかき揚げ丼なども人気です。

このほか、すり身のすまし汁や、すり身を香ばしく焼くシロエビ団子、さらにはフレンチやイタリアンでも…。料理次第で味わいが広がるシロエビ。希少な味を思うまま楽しめるのは、富山ならではの贅沢です。

※おぼろ昆布やとろろ昆布を作る際に残る板状の昆布(白板昆布ともいう)

レシピ紹介!シロエビのから揚げレシピ紹介!シロエビのから揚げ

材料4人分

シロエビ400g
小さじ2/3
こしょう少々
小麦粉少々
シロエビのから揚げ
  1. (1)シロエビはひげを取り、塩、こしょうで味付けする。
  2. (2)シロエビに小麦粉を付け、カラッと揚げる。(お好みでレモンをしぼる)

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